2006年8月14日

 仕事に行くため自転車を走らせていた。幅3メートル程の狭い道の交差点に差しかかったと
ころ、左側から茶髪の若い男の二人乗りの原付バイクが猛スピードで突っ込んできて、俺の自
転車に衝突した。俺は飛ばされブロック塀に足を強打した。うずくまっている俺に、その男達が
「大丈夫か!?」と声をかけてきた。「何でタメ口やねん!」と思ったが、それよりもあまりの痛み
のために、「早く救急車を‥」としか言えなかった。周りの住民達も出てきて、現場は騒然とし
た。数分ほどで救急車がやってきたのだが、犯人の男達がいつの間にかいなくなっていた。ひ
き逃げしやがった! 痛みと悔しさで涙が出た。救急車で近くの整形外科病院に運ばれ、入院
することとなった。


 8月15日

  診断の結果、右の足首が脱臼骨折していた。すぐに手術するものだと思っていたのだが、
腫れが引くまでは手術が出来ないそうだ。足を台の上に固定し、5kgの重りで足をけん引する
状態にされた。ベッドの上で完全に寝たきりだ。俺のベッドは窓から一番離れた場所で、しか
も、隣のベッドとの間にカーテンがあるので、目の前の壁しか見えない。トイレもベッドの上だ。
ウンコは底の浅い洗面器みたいな容器にしなければならないのだが、足を固定され上半身し
か動かせないので、とてもやりにくい。小便はシビンにするのだが、シビンの口が狭いので俺
のビッグマーラーが入らないし‥。(大嘘) しかも、夜の10時から朝の8時までエアコンを停め
られるので、ベッドにはりつけられたような状態で、蒸し暑い夜を過ごさなければならなかった。
地獄‥


  8月16日

  警察から犯人が捕まったと連絡があった。14才の中学生だそうだ。
こんなクソガキのせいで‥畜生‥


 8月17日

  今日で入院4日目だ。相変わらず俺は、一日中ベッドの上で、目の前の壁だけを見ている。
気が狂いそうになる。背中と尻にひどいあせもが出来た。地獄‥


 8月18日

 ようやく腫れがひいたので手術することとなった。手術前、俺はとてもビビっていた。手術をす
るのが生まれて初めてで、しかも男の看護師が、「整形外科の手術ってのはなぁ、ドリルやノコ
ギリみたいな器具を使ってやるのだ。大工工事みたいなものなんだぜ。イヒヒヒヒ‥」と言って
脅かしやがる。いや、もちろんそんな言葉遣いではなかったのだが、とにかく整形外科の手術
は怖いものだと言っていた。だから俺は無茶苦茶ビビッていたのだ。しかし、そんな心配は全く
無用だった。手術台の上で、腕から麻酔薬が注入された。数秒で眠くなった。 

‥次の瞬間、顔をパンパン叩かれ、「起きて下さい。手術終わりましたよ。」と医師から言われ
た。手術の痛みも、手術の時間(一時間半位だったらしい)も何も感じず、眠った次の瞬間、もう
起きていた。現代医学スゲーッ! そして、病室に戻された。しかし、時間と共に麻酔が切れて
きて激しい痛みを感じ出し、その日の晩は一睡も出来なかった。


 8月19日

  痛みがひどかったので気付かなかったのだが、チンコに直径数ミリ程の管が挿入されてい
た。手術中は意識が無いので小便が漏れてしまうので、管を挿入して小便を取るらしい。手術
室には数人の看護婦さんがいたのだが、彼女達に俺のビッグマーラー(大嘘)を見られていた
のか。興奮するぜ‥


 8月20日

  手術が済んだので、松葉杖でだが、ようやく歩けるようになった。トイレもベッドの上でしなく
てもよくなった。
 「トイレで排泄をする」
この素晴らしさを、おそろしいまでに実感した。


 8月21日

  病室のベッドにはそれぞれ、患者の名前と年齢が書かれたプレートが付けられている。俺の
隣りのベッドには、78才のジジイがいる。ジジイなのに「佳希」というカッコイイ名前だ。その佳
希‥いや、YOSHIKIがとにかく、メシを喰う時のクチャ音がひどい。普通にメシを喰ってたら音
なんかしないのに、嫌がらせか!?と思うほどクチャクチャ音を立てやがる。入院生活なんてメシ
くらいしか楽しみがないのに、YOSHIKIのせいでそれも台無しなのだ。死にたい‥


 8月22日

  YOSHIKIのクチャ音が気持ち悪くてたまらない。個室に移りたいのだが、差額ベッド代が一
日1万2千円もする。そんな金あらへん。誰か俺に5億円くらいおごってくれないかなあ‥。死
にたい‥


 8月24日

 「カステラの方がええんちゃうか‥」(YOSHIKIの寝言)


 9月5日

  母親からノートパソコンを借りた。そして、事故以来していなかったメールチェックをした。俺
は、ここのサイトとはもうひとつ別に、里親募集サイトのリンク集「わんにゃん里親ドットコム」と
いうサイトを開設している。

http://wan1nyan.web.fc2.com/

  一人の女性から、新しい情報のメールを送っているのに、いつまで経ってもサイトが更新さ
れないのはなぜですか?という内容のメールが届いていた。事故に遭って入院しているため、
サイトの更新が出来なかったと返信すると、「それは大変でしたね。わずかばかりですが、お見
舞い金を送らせていただきます。」とメールが来た。金は欲しい。たまらなく欲しい。しかし、会
ったこともない見ず知らずの人から金を貰うことは出来ない。しかし金は欲しい。でも、やはり
貰うことは出来ない‥。泣く泣く断りのメールを送った。 

 金が欲しい‥。
 ビル・ゲイツがうっかり間違えて、俺の口座に2兆円くらい振り込んでくれないかなあ‥ 


 9月15日

  犯人のクソガキが鑑別所から釈放され、両親と一緒に謝罪に来た。俺は腹ワタが煮えくりか
えっているのだが、向こうは本当に反省しているようなので、キツくは言えない。それにしても、
無免許運転で人をひいて骨折の重傷を負わせ逃げるような極悪犯が、わずか一ヶ月で出所出
来る法律の甘さ。被害者が入院しているのに、加害者はシャバに出ているこの状況‥。死に
たい‥


 9月22日

  ここの病院の看護婦さんの白衣は、ワンピースタイプではなくズボンタイプだ。そして、その
ズボンがピッチリしているので、パンツのラインがよく見える。このパンティーラインこそ、今の
俺の唯一の生きる心の支え。 


 9月23日

  Nさんという看護婦さんがいる。AV女優の瀬戸恵子に似た綺麗な人だ。そのNさんと話をし
た。Nさんは以前、総合病院に勤めていたそうだ。子供に注射をする時、とにかく暴れまわるの
で大変だったそうだ。また、ガンで入院した患者が退院出来ず、そのまま亡くなることが多々あ
ったそうだ。そういうのを目の当たりにすると、とても辛かったらしい。その点、骨折で人が死ぬ
ことはないし、突然、容態が急変することもないので、以前の勤務先に比べると、整形外科は
気が楽だそうだ。しかし本当ならば、そのような困難な現場に自ら向かってこそ真の医療従事
者なのだが、楽な方へ逃げている私はダメな看護師ですわ‥と言っていた。
「いやいやNさん、そんなことないです。あなたは素敵な看護師ですよ。」
心の中で、そうつぶやいた。


 9月24日

  Oさんというリハビリスタッフの女性がいる。仲間由紀恵に似たキレイな人だ。俺はOさん
に、「リハビリ界の仲間由紀恵」というキャッチフレーズを付けた(心の中で)。しかし、そのことが
俺の頭の中で定着し過ぎて、今日、Oさんに、「あんた、リハビリ界の仲間由紀恵って呼ばれて
いるそうやな。」と言いそうになった。精神的にかなりヤバイ。


 9月25日

  Yさんという理学療法士の男性がいる。Yさんはリハビリに来た患者に、やたらとOさんの話
をする。

「Oさんって賢そうに見えるけど、結構アホなんですよ。」
「Oさんって優しそうに見えるけど、結構キツイ性格なんですよ。」
「Oさんっていい年した大人やのに、子供みたいに野菜が嫌いなんですよ。」

‥と、Oさんについての豆知識をやたらと話すのです。


 9月27日

  深夜、同室のジジイが急に「家に帰る!」と騒ぎ出した。86才のジジイで、かなりボケている
ようだ。あまりにもうるさいので、隣の個室に移された。宿直の看護師(二十才そこそこの若い
女の子)が必死になだめていたのだが、ジジイは全くおとなしくならず、その看護師にやたらと
悪態をついていた。 

 「お前はアホじゃ!!」 
 「アホちゃうよ。アホやったら看護師になられへんよ。」

 彼女は、ジジイの悪態にまともに答えていた。聞いてて面白かった。しかし翌日、俺は手術だ
というのに、ジジイがやかましくて、ほとんど眠れなかった。死にたい‥


 9月28日

  埋められているボルトの内の一本を抜く手術をした。今回は全身麻酔ではなく局所麻酔だっ
た。麻酔の注射がとても痛かった。畜生、俺はただ自転車に乗っていただけなのに、何でこん
なつらい目に遭わなければならないのだ。こんな時はニュースを観るに限る。毎日のように悲
惨な事件や事故が起きている。そして、それらの犠牲になった人達がいる。その人達に比べ
れば、俺はずっとマシだ。優越感を抱く。世界一醜い優越感を。

‥ああ、俺はクズだ‥


 10月2日

  ニュースを観た。相変わらず、子供が犠牲になっている事件や事故が無くならない。つらい
気持ちになったのでチャンネルを変えた。「笑っていいとも」を観た。タモリが画面に映った。全
く面白くない。気の利いたコメントなど皆無だ。しかし、このクソ爬虫類は、番組一本で何百万
円ものギャラを手にしている。 

‥ああ、何で浮世の不条理は無くならないのだ。
死にたい‥


 10月3日

  テレビをつけたら細木数子が映った。バックにヤクザがついている、こんなウサン臭さ全開
のインチキババアに、なぜ、分別のあるいい年した大人達が金を出すのだ? そして視聴率が
稼げるからと、こんなインチキババアでゼニ儲けしているテレビ局‥。この国はマジで腐ってい
る。偉大なるブタメガネ将軍様よ、こんな国とっとと潰してしまえよ‥


 10月4日 

  隣りの病室に、「さっさと引越し〜♪」のヒットで知られる奈良が生んだ世紀の天才ラッパー、
MC・MIYOCOにそっくりのオバハンがいる。顔はMIYOCOに似て怖いのだが、色々と話しかけ
てくる気さくなオバハンだ。


 10月5日

 知人にFさんという中国人がいる。そのFさんが見舞いに来た。話をしていたところ、看護婦さ
んがやってきて、「どこか調子の悪いところはないですか?」と訊いてきた。俺が「大丈夫です」
と答えたところ、Fさんが、「この人、頭の調子が悪いアルよ」と言った。いらんことを言う支那人
め。


 10月6日

 今日は十五夜だ。先日、ベッドの位置が変わり、俺は窓側になった。とてもキレイな月がよく
見える。しかし、YOSHIKIのイビキがうるさくて、風情もへったくれもあったものじゃない。死に
たい‥


 10月7日

  俺のリハビリの担当は、Hさんという理学療法士の人だ、このHさんが何となくイカツイ。坊主
頭なのだが、それがとても似合っていて、“優秀なヒットマン”といった感じだ。ギプスが外れた
ので、先週から足を地面に着けて歩く練習を始めている。今は体重の4分の1しか荷重してい
ないのだが、それでも足が痛い。ぎこちない歩き方の俺を見てHさんが、「もっと上手く歩けない
ようにならないと駄目ですよ。これから荷重を増やしていかなければならないのに。」とキツく言
った。
「そんなん言うたって、痛いもんは痛いんやし、そもそも、このケガかて俺が好きで負ったケガ
やなくて、ひき逃げされて負ったケガやのに‥」 
 そう思ったけど、気が弱いので言えない。


 10月8日

 ラジオを聴いていたら、小林旭の「さすらい」が流れてきた。 

 ♪ 恋に生きたら楽しかろうが どうせ死ぬまで一人ぼっちさ‥ 

 涙が出た。


 10月9日

  今日は体育の日。澄んだ青空にウロコ雲がポツポツと浮いていて、爽やかな風が吹いてい
る。いかにも秋らしい素晴らしい気候だ。しかし俺は、相変わらずの入院生活。そして、YOSHI
KIは相変わらずクチャクチャ音を立ててメシを喰っている。死にたい‥


10月10日

リハビリルームに行くと、EXILEのグラサンをかけた坊主頭の男(名前知らない)に似たオッサン
がいた。怖かった。



 10月11日

  就寝中、なぜかブルーハーツの「終わらない歌」が頭の中で鳴り響いた。
寝ながら涙が止まらなかった。


終わらない歌を歌おう クソッタレの世界のため
終わらない歌を歌おう 全てのクズどものために
終わらない歌を歌おう 僕や君や彼らのため
終わらない歌を歌おう 明日には笑えるように

世の中に冷たくされて一人ぼっちで泣いた夜
もうダメだと思うことは今まで何度でもあった

本当の瞬間はいつも死ぬほど怖いものだから
逃げ出したくなったことは今まで何度でもあった

馴れ合いは好きじゃないから誤解されてもしょうがない
それでも僕は君のことをいつだって思い出すだろう

終わらない歌を歌おう クソッタレの世界のため
終わらない歌を歌おう 全てのクズどものために
終わらない歌を歌おう 一人ぼっちで泣いた夜
終わらない歌を歌おう キチガイ扱いされた日々

http://www.youtube.com/watch?v=laRZR6AUvaU



 10月12日

 Tさんという男の看護師が、看護婦さんと談笑していた。話しながら、看護婦さんの尻をポン
と叩いた。別にイヤラシイ感じではなく、さりげなく叩いていた。
「看護師になると、看護婦さんのケツを触り放題なのか!? 俺も看護師になればよかったぜ!」
肥大した思い込みで、今日も一日が過ぎる。


 10月13日

  外出許可を取って一時帰宅した。病院から家までは歩いて5分位の距離なのだが、松葉杖
なので20分近くかかった。爽やかな秋晴れなのに、汗がダラダラ出た。家に着くと、電気代を
払ってなかったので電気を止められていた。一人暮らしを始めて十年、初めて電気を止めら
れた。不便という気持ちより情けない気持ちが強い。階下の部屋に住んでいるババア(俺のサ
イトのVol.3を参照)がまだ生きていた。家から病院へ戻る途中、ラブホテルの前を通ったら、カ
ップルが入っていくのを見た。畜生、こいつら今からセックスしまくるのだろうな。死にたい‥ 


 10月14日

  入院して今日でちょうど二ヶ月が経った。ギプスは外れたのだが、まだ、松葉杖が無いと歩
けない。退院のメドも未だ立っていない。この先、俺はどうなるのだろう‥。そう考えると夜も眠
れない。死にたい‥マジで‥ 


10月15日

 妹が娘(俺からしたら姪)を連れてお見舞いに来た。姪っ子は3才で、とても可愛い。
「空ちゃん(姪の名前)、君の伯父さんは退院のメドが立ってない不自由な体で無職で借金まみ
れのクズなんだよ。」
心の中でそうつぶやいた。泣きそうになった。死にたい‥


 10月16日

  リハビリルームに行くと、二十才位の二人の男が挨拶に来た。理学療法士を養成する学校
の生徒で、実習でこの病院に来ているそうだ。畜生、こいつら輝いてやがるぜ! ‥いや、俺に
も夢に向かって熱く燃えていた時代があったはずなのだが、あの頃の俺はどこへ行ってしま
ったのだろう‥


 10月17日

  俺の人生はどこで間違えたのだろう‥。毎晩、このことばかりで頭が埋め尽くされ、なかなか
眠れない。 

 後悔後悔後悔後悔後悔後悔後悔後悔後悔後悔後悔後悔‥ 

 後悔したところで事態が良くなるわけでもないのだが‥。死にたい‥


 10月18日

 リハビリ痛い‥。死にたい‥


  10月19日

  外出許可を取って、近所の宝くじ売り場でロト6を買った。交通事故という不運に遭ったのだ
から、もしかしたら宝くじを買えば当たるかもしれない。一等は無理でも二等‥いや、せめて三
等は当たるかもという淡い期待を抱いていたのだが、当然ながらハズレ。末等さえ当たりゃし
ない。結局、当たる奴は何をしても当たるし、当たらない奴は何をしても当たらない。そういう風
に出来ているのだな、浮世は。
死にたい‥ 


 10月20日

 母親が相田みつをの本を持ってきた。以下のような日記が書かれていた。

「うちの貧乏神も、いつまでたっても出て行かないな。まあしかし、この貧乏神も、行き場があれ
ばこんなに長居はしないだろう。行き場がないから仕方なしに居るんだな。それに貧乏神にと
って、我が家はきっと居心地がいいのだろう。それならば今まで通り、うちに同居するんだな。
うん、今年も貧乏神と同居と決めた! それでいい。その代わり、お互い明るくやろうぜ! よろ
しくな!」 

  俺は一人暮らしを始めて間も無い頃、とても貧乏だった。ある日、あまりの空腹で体がケイ
レンして、仕方なしに、手の平に山盛りの砂糖を喰って血糖値を上げて飢えをしのいでいた。
金が無いから、風呂無しのボロアパートに住んでいた。夏は公園の水道をシャワー代わりに
していた。相田みつをは、真の貧乏を経験したことがないのだろう。金の無い辛さ、苦しさ、惨
めさ、情けなさを知らないのだろう。だから、こんなぬるい文しか書けないのだろう。それなの
に、こんなものが商品として成り立ちバカ売れしている。畜生‥


 10月21日

 母親からノートパソコンを借りて、ベッドの上でネットをしている。尾崎放哉の作品について解
説しているサイトを見つけた。

http://www2.biglobe.ne.jp/~endoy/AIKU.html

 尾崎放哉の作品に、「墓のうらに廻る」という句がある。生きている人間からすれば、墓は表
から見るものだが、当時、病に伏せていた尾崎放哉からすれば、墓とは表から見るものではな
く、裏に廻り人から見られるようなもの、つまり死が近いことを暗示していたのだ。今まで、この
句の意味が分からなかったが、この解説を読んで理解できた。体が震えた。


 10月22日

 今日は暑くもなく寒くもない、爽やかな秋晴れの日曜日。看護婦さん達とリハビリスタッフの人
達が、一緒にハイキングに行っているそうだ。何か青春してるなあ‥。まあ、俺には全く関係無
いけど。


 10月23日

 今日は、はしのえみの誕生日。俺は、はしのえみが大好きなのですよ。33才なのにあの可愛
いらしさ。そして、いかにもA型らしい真面目な性格。あややよりも、はややの方が好きなので
す。結婚してほしいですよ。でも俺は甲斐性が無いので、はしのえみのヒモ亭主となって一生
暮らしたい‥。そんなことを妄想しながら、病院のベッドの上でニヤニヤしている。どや? 気持
ち悪いやろ?


 10月24日

 全国各地の病院や老人ホームをボランティアで回っている、素人の男三人組の音楽グルー
プがやってきた。そいつらの演奏会があるというので、リハビリルームに行った。普通こんな時
は、誰もが知っている曲を演奏するものなのに、そいつらは自分達のオリジナル曲ばかり演
奏していた。しかも客に、「イエーイ!」を強制していた。たまらなく寒かったのだが、その場か
ら抜け出せる空気ではなかったので、二時間弱、聴かされるハメになった。傷が痛み出した。


 10月25日

 ここの病院は、二十代前半位の若い看護婦さんが多い。そして彼女達は、手術にも立ち会っ
ている。整形外科の手術というのは、皮膚を切って、その中の骨をゴチョゴチョいじくるわけ
だ。想像するととても怖い。「そういうのを見て怖くないですか?」と一人の看護婦さんに訊くと、
「仕事ですから‥」と、冷たく言われた。そりゃそうやな。怖いとか言ってたら仕事にならんわ
な。バカな質問をした自分が情けなかった。死にたい‥


 10月26日

 ナースステーションで、看護婦さん達がキャーキャー騒いでいた。何があったのか見てみる
と、ゴキブリが出たそうだ。手術の様子を見ても怖くない看護婦さんも、ゴキブリは怖いようだ。
それにしても、「ナースステーション」ってエロイ響きだな‥


 10月27日

 今日は小西真奈美の誕生日だ。リハビリスタッフに、笑った顔が小西真奈美に似た可愛らし
い女性がいる。‥それだけの話です。


 10月28日

 入院費を払いに受付に行った。色白で丸顔でニコニコした笑顔が印象的なタヌキ顔の、とて
も可愛い女のコがいた。俺は彼女のことを「白タヌ子ちゃん」と名付けた(心の中で)。これから
受付に行くのが楽しみになった。


 10月29日

 同室にKという、オバハンみたいな顔をしたオッサンがいる。このオッサンの情報力がすご
い。看護婦さん一人一人の出身地や自宅、勤務年数や以前の勤務先を把握している。KGB
みたいなオッサンだ。謎だ。


 10月30日

 Sさんという看護婦さんがいる。小さくて色白でプクプクして愛想のいい、とても可愛い人だ。
しかしたまに、そのSさんから冷たさを感じる。人体にメスを入れたり注射を打ったりするには、
普通の人間の感覚では出来ない。医療に携わる人間は、(変な言い方だが)患者をモノ扱いし
なければならない。そのような、医療従事者が持つ冷たさを、そのSさんから時折感じられる。

♪ 僕の想像の中ではとても優しい君なのに本当は意地悪ばかり
  何だか悲しくなるな‥

 真島昌利の「カローラに乗って」のこのフレーズが、頭の中で鳴り響く。


 10月31日

 外出許可を取って、近くの郵便局に行った。受付にいた女性職員が藤圭子にそっくりだっ
た。


 11月1日

 今日はゆうこりんの誕生日だりんこ。


 11月2日

 レントゲンを撮った。写真を見ると、ケガをした右の足首には、一枚のプレートと7本のボルト
が埋まっていた。しかし、そんなものが入っている感覚は全く無い。とても不思議ナリ。


 11月3日

 Fさんという看護婦さんがいる。中田有紀に似たとてもキレイな人で、愛想もいい素晴らしい
看護婦さんだ。ただ、愛想よく話すためか結構声が高く、たまに声が裏返るので面白いので
す。


 11月4日

 今日から、松葉杖無しで歩く練習を始めた。事故から約二ヵ月半、ずっと松葉杖を使ってい
たので、杖無しで歩くのはとても怖い。痛みはかなり減ったが、足首の関節がまだ固いので、と
ても歩きにくい。俺はこの先、どうなるのだろう‥ 


 11月5日

 受付に入院費を払いに行った。白タヌ子ちゃんはいなかった。


 11月6日

 Yさんという22〜23才位の看護婦さんがいる。小さくて色白で目がパッチリした、とても可愛い
コだ。そんな彼女が廊下の端っこで、「あ゛あ゛ん!」とタンをからましている現場を目撃した。チ
ンコ勃ってもた。

11月7日

洗面場でYさんが歯を磨いていた。歯を磨きながら唾をペッと吐き出した現場を目撃した。また
チンコ勃ってもた。


 11月8日

 病院の廊下の窓から、隣のマンションが見える。今日、そのマンションのベランダで、AV女優
の牧原れい子に似たエロそうな奥さんが洗濯物を干しているところを見た。YES!


 11月9日

 看護婦のRさんが回診に来た。Rさんは顔も声もAV女優の沢木まゆみに似ている。沢木まゆ
みの看護婦モノの作品があるのだが、回診の様子がその作品とダブって興奮した。この病院
はどこまでエロイのだ!?


 11月10日

 毎朝、看護婦さんが回診に来て、血圧を測って注射を打つ。今日はRさんが来た。Rさんのプ
ヨプヨした柔らかい腕が触れた。昇天した。


 11月11日

 それにしても看護婦さんはエロイ。いや、看護師という仕事はとても立派な仕事で、もちろん
エロを売りにしている訳ではないのだが、どうしても男の眼にはエロく映ってしまう。セクハラを
したくなったので、院長に、「この病院は看護婦へのセクハラは許されているのですか?」と訊
こうとしたが、「死ね」と言われそうなのでやめた。
 
 11月12日

 今日で退院だ。まだ、まともに歩ける状態ではないのだが、とりあえず退院することとなった。
看護婦さんにお別れの挨拶をした。別に深い仲になったわけでもないのだが、やはり別れとな
ると寂しい。涙が出そうになった。




 2007年6月18日

 昨年の8月に折れた足の骨が、十ヶ月経ってやっとくっついた。そのため、埋められているプ
レート1枚とボルト7本を取り出す手術をすることとなった。手術は明日なのだが、全身麻酔で
手術をするため、規則で前日から入院しなければならないので、今日から入院することとなっ
た。昨年、入院していた時、Aさんという看護婦さんがいた。Aさんは生まれも育ちも尼崎の人
間なのだが、「どこの方言?」と思わせるような面白いアクセントで話すので好きだったのだ
が、最近、この病院を辞めたそうだ。寂しい‥


 6月19日 

 今日、手術をする。以前の日記に書いたが、手術中は意識が無く小便が漏れてしまうため、
小便を取るために、手術中に導尿カテーテルというものが挿管される。看護婦さんに見られて
も恥ずかしくないように、手術前にチンコの皮を剥いておいた。(俺は仮性包茎なのですよ。) ス
トレッチャーに乗せられ手術室に運ばれた。手術室に入るのはこれで三回目なのだが、やっ
ぱり怖い。ドラマで見るのと同じく、心電図の機械が「ピッピッ‥」と音を立てている。「この音が
止まった時に、俺は死ぬのだな‥」と思った。手術が始まった。腕から麻酔液が注入され、数
秒で眠くなり、そして気がついたら、もう手術が終わっていた。麻酔というものは本当に凄い。
皮膚を切って、中に埋められている金具を取り出し、そして傷口を縫うという、あまりにも恐ろし
いことが行われているのだが、そんなことを全く感じさせない。手術の痛みも、時間の感覚も何
も感じないのだ。手術が終わり、病室へと移された。チンコを確認すると、導尿カテーテルは挿
管されていなかった。後で聞いて分かったのだが、手術時間が約30分と短かったので、尿道カ
テーテルはつけなかったそうだ。チンコの皮を剥いておいたのは無駄足だった。しばらくすると
麻酔が切れてきて、傷口が激しく痛み出した。痛そうにしている俺を見て、看護婦さんが、「痛
みがひどいようでしたら、座薬を入れましょうか?」と言ってきた。痛みを鎮めたい。でも、看護
婦さんにアナルを見られたくない。アナルという、体の中で最も恥ずかしい部分を見られること
により、性的興奮を覚える人間もいるだろうが、残念ながら俺はそこまでのレベルに達してい
ないので、「大丈夫です」と嘘をついて、座薬を入れるのを断った。一晩中、痛かった。 


 6月20日 

 手術から一日経つと、痛みはいくぶん減っていた。医師が回診に来た。包帯を外し、傷口を
消毒した。たまらなくしみる。去年、同じ状況の時に看護婦さんに、「縫っている状態の傷口、
見てみますか?」と言われたが、怖くて見れなかった。しかし今回は、勇気を出して見てみた。
傷の両端の皮膚をグッと引き寄せ、釣り糸のようなナイロン製の結構太い糸で縫われている。
出血もしているし、何か変な液も出ている。えげつない状態だ。怖くて少ししか見れなかった。し
かし、医師も看護婦さんもそんなことは全く気にせず、淡々と作業をしていた。医療従事者って
本当にすごいよな。(ちなみに画像は、退院してから家で撮影したものです。)







 6月21日

 同室に鈴木ヒロミツに似たオッサンがいる。このオッサンは、とにかく看護婦さんとよく喋る。
しかも、「りえちゃん」「りょうこちゃん」などと、看護婦さんのことを名字でなく名前で呼ぶ。俺も
そんな風に親しく話したいのだが、人見知りで消極的な性格なので出来ない‥ 


 6月22日 

 鈴木ヒロミツは足にギプスをしているのだが、今日でそのギプスを外すらしい。看護婦さんが
電動カッターのような機械で切っていた。 

ヒロミツ「このギプス切ったら、中からウジ虫が出てきたらどないする?」 
看護婦「そんなん出てきたら、私、逃げますわ!」 

とてもフレンドリーに話している。羨ましい‥ 


 6月23日 

 ニュースを観た。爆発事故を起こした渋谷の温泉施設のことについて報じられていた。犠牲
になった23才の女性が、父の日に父親に渡した手紙が紹介されていた。とてもハートフルな内
容だった。何でこんな親想いのいい人が死ななければならないのだろう。涙が出た。結局、何
だかんだ言っても、人生って運なのだな‥ 


 6月24日 

 知人にFさんという中国人がいる。
そのFさんがお見舞いに来た。Fさんは先週まで一週間ほど、ニューヨーク旅行に行ってたそう
だ。ヤンキースタジアムで松井のホームランを見たと喜んでいた。Fさんはこれまでに7〜8回、
ニューヨークに行っている。俺は行ったことないので知らないのだが、テレビで観る限りニュー
ヨークって、セントラルパーク以外はビルばかりで、ゴミゴミした汚い街というイメージしかない
のだが、何がFさんをそこまで惹きつけるのか謎だ。Fさんは最近、競馬にハマッている。今日
行われた宝塚記念も買ったそうだ。何点か張って、その中のひとつが当たったのだが、トータ
ルするとマイナスだったそうだ。バクチとは当たればいいのではなく、トータルでプラスにならな
いといけないのに、どうもFさんはそのことが分かっていない。(どうやらFさんは、足し算や掛け
算が出来ないらしい。) 「バクチなんて胴元が儲かるだけやから、やめた方がよろしいでっ
せ。」と言ったのだが、懲りずにまだ続けるらしい。Fさんみたいな人間がいるおかげで、JRA
の奴らがブクブクと太っていくのだな。 


 6月25日 

 食事の仕度をしたり、掃除をしたり、入院患者の入浴の介助をしたりする、看護助手スタッフ
がいるのだが、去年、俺が退院した後に、Tさんというキレイな女性が新しく加わっていた。この
Tさんは、色々と話しかけてくれる。俺は消極的な性格ゆえ、自分から話しかけることが苦手な
ので、とても嬉しい。でも、俺は明日で退院。(´・ω・`)ショボ〜ン‥ 


 6月26日

 病院や老人ホームを回って、そこでハンドベルの演奏をしている、主婦だけで結成されたボ
ランティアグループがやって来た。ハンドベルの演奏は初めて聴いたのだが、とても美しい音
色で、ちょっと感動した。去年の10月24日に来た、野郎三人の音楽グループとはえらい違いだ
った。

 その後、夕食を食べた後、退院することとなった。およそ一週間ぶりに家に帰ってきた。窓を
閉め切っていたのに、なぜか机の上にホコリが溜まっていた。謎だ。一週間近く家を空けてい
ると、自分の家なのに、他人の家のような変な違和感がある。その日の晩は、なかなか寝つけ
なかった。



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